プロジェクトストーリー01大手ベーカリーメーカーの
東南アジア工場設立

森 祐佳

森 祐佳国際本部 / 課長代理 /2013年 新卒入社

2013年4月入社。入社後約2年間は、アジアチームで見習いとして営業フォローを行う。2015年1月から東南アジア担当の営業となり、上司の下で基礎を学ぶ。その後、かねてよりアプローチしていたベーカリーメーカーより東南アジア向けで大型ラインを受注。海外での立ち上げに悪戦苦闘をしつつ、2017年に本稼働。現在は、課長代理として活躍中。

01初の大規模プロジェクト始動

フジキカイの国際本部は、世界各国に30社以上の子会社・販売店を構え、現地の営業・エンジニアと共に日本で製造された機械の販売、アフターフォローを行う。
子会社・販売店を通してお客様の声に耳を傾け、引き合いから安定稼働までお客様と接する重要な部署だ。
アジアチームの見習いだった森は、上司の下に付いて、営業の基礎を学んでいった。

森の担当国向けで一件の引き合いが入った。
ベーカリーメーカーからだった。
国内のメーカーが東南アジアに工場を設立するので包装ラインを提案して欲しいという内容だった。

まだ営業経験の浅い森は上司に呼ばれ、この大規模プロジェクトの打ち合わせに参加した。

「…え?あ、はい。それについてはですね…」
初めての打ち合わせだったため、お客様に対する振る舞いが分からず、終始、緊張をしていた。
何度か上司とともに打ち合わせを重ね、晴れて受注することができた。
「なるほど…。こういう風に商談するのか」
森は上司からの指導の下、着実に成長していった。

初の大規模プロジェクト始動

02大人数、大規模な立ち合いテスト

プロジェクトは着々と進み、多忙の日が続いた。

機械も形になって来た頃、稼働確認のために、機械がある美濃工場で立ち合いを行うことになった。
その立ち合いには、海外より販売店エンジニア、エンドユーザーも参加し、9名の大掛かりな立ち合いとなった。

9名もの大掛かりな立ち合いとなると、その対応は困難を極めた。

セントレアから美濃工場まで、およそ100kmの送迎も行う。
移動中は大切な命をお預かりしているため、事故は絶対に許されない。

ベーカリー製品の立ち合いといっても、一台の包装機で包装する種類は10種類以上にも及ぶ。
「10個流して問題なければOK」というわけではなく、お客様の要求にお応え出来るまで全ての機械において、1種類につき何十分間もテストを行う。加えて、オペレータートレーニング、清掃トレーニング等も実施する。

全ての対応を含めると、立ち合いは一週間にも及んだ。

「手探りの立ち合いで、当時は何が正解か分かりませんでしたが、お客様をお見送りする際、『今度は現地でお会いしましょう』とお言葉を頂くと、何にも代え難い初めて味わう達成感がありました。今でも鮮明に思い出せます。」と森は語った。

03いよいよ現地稼働。そこに待っていたのは・・・

美濃工場での立ち合いを終え、包装機は海を越えて、現地で据え付け作業を行う。
販売店のエンジニアがメインで作業を行うのだが、対応が難しい作業もあり、日本人のエンジニアを派遣し、本稼働を行った。

森も据付・試運転に参加した。
しかし、現地で稼働をしてみると、エンドユーザーの求める要求を満たすことができなかった。

「おかしいですね…。これをこう…」
その時だった。

「ふざけるな!!」

現場の空気は一瞬にして凍りついた。

テストの際には問題なく稼働していたものが、本稼働で想定通りに動かなくなっていたのだ。現場で数時間流すのと、テストで流すのでは様々な条件が異なる。

前工程メーカーとの連携も取れておらず、販売店と共に対応に苦しんだ。
責任の所在が曖昧になることもしばしばある。

この日は立ち合いの時間も長く、現場には重苦しい空気が流れていた。

真摯にお客様の言葉を受け止めて、エンジニア、販売店、関係各部署と1つずつ問題解消に努めた。細かなチェックを経て、無事に5台検収を上げることができた。
納入から3年経った今も、問題なく稼働している。

04心の底からお客様を想った対応がリピートにつながる

それぞれのプロジェクトには必ずストーリーがある。

引き合い段階から販売店と戦略を立て、打ち合わせを重ね、晴れて受注となれば、エンドユーザーが森に伝えた想いを設計やその他の部署に展開する。

「販売しているのは機械(技術力)だけではなく、会社としての魅力です。
営業は、フジキカイの力を伝える窓口です。受注前のサンプル作成での現場の意見や、設計者の豊富な経験に基づくアドバイスなど、個々が持つ高い知識を1つでも多く伝達すべく、営業活動に従事しています。そしてフジキカイと販売店の想いがお客様に伝わって、ご満足頂ければ営業としてこんなに嬉しいことはありません」と森は語る。

プロジェクトは、一件一件、様々な人の意見があり、衝突と調和を繰り返しながら進んでいく。その中で、「これは本当にお客様のためになっているのか?」と、自問自答を繰り返す。

「意見の違いはありますが、結果的に同じベクトルに向かっており、プロジェクトに携わる全員が心の底からお客様のことを想っています。そして海を越えた国にも、信頼でき、尊敬できる仲間がいることを誇りに思います。」と森は語る。

当時のお客様は、その後、展示会にも足を運び森のことを覚えているそうだ。
そして、5台を納入した後も、追加で1台購入頂き、さらに複数台購入を検討されている。

お客様のことを想い、誠実な対応をしたことで、その後も良好な関係を築くことができたのだった。

05感動は日常にも

営業職は1日としてルーティンワークはなく、毎日が新しいことの繰り返しだ。
お客様のために奔走し、より生産性の高い機械を作るために、今日も全力を注ぐ。

「いらっしゃいませ」

海外出張時、森がコンビニに立ち寄ると、そこには森が販売した包装機で包装された商品たちが並ぶ。

引き合い発生時から本稼働までの記憶が蘇り、商品にとても愛着を感じる。その瞬間、思わず笑みがこぼれ、商品を取る。

思い入れのある商品が市場に並んでいる光景を目にするとき、森はこの仕事の醍醐味を実感するのだった。

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